私たちの健康を維持したり、病気を治すおくすりは、用法を守り、正しい知識をもちながら上手に付き合っていくことが大切です。 ここでは、服薬(薬を飲むこと)についての基本的な事柄を紹介します。 服用時間についてよく、服用時間について「食前」「食間」「食後」あるいは「就寝前」などと定められていますが、それではいったいどの程度を目安にすればよいのでしょう。 ここでは、服用時間の指示について説明します。 食前:食事のおよそ30〜60分前に飲みます。胃の中が空っぽの状態であることを言います。 食後:食後30分以内に飲みます。胃の中に食べ物が入っている状態です。 食間:食事と食事の間のことで、たとえば朝食と昼食の間などを言います。時間としては、前の食事からおよそ2時間後を目安にするとよいでしょう。「食事中に服用する」という解釈をする方がいますが、これは間違いですので気をつけましょう。 就寝前:寝る前のおよそ30分前です。 くすりは、それぞれ定められた時間に飲まないと効果がなかったり、副作用を生じることがあります。薬剤師や医師の指示に従い、正しい用法をまもってください。 ただし「30分」など、正確に30分でないといけない訳ではありません。時間が多少ずれても、飲み忘れないことの方が大切です。 服用時の注意●錠剤・カプセル剤の場合錠剤やカプセル剤は、胃では溶けず、腸ではじめて溶けて効くようにつくられたものがあります。むやみに噛んだりつぶしたりしてはいけません。乳幼児には原則として使用してはいけません。 ●液剤の場合液剤は、主成分が沈んでいたりしますので、まずはよく振ってから飲みましょう。瓶に直接口をつけたり、飲むときに使ったスプーンをくすりの入った容器に入れてはいけません。薬の汚染の原因になることがあります。 ●併用をさけましょう。くすりを併用すると、お互いの作用が弱くなったり、強くなったりして期待する効果が得られないことがあります。また、想定外の副作用があらわれたり、正確な診療のじゃまになることがあります。 特に医師の指示でくすりを使用しているときには、医師の了解を得ないで他のくすりを使用してはいけません。 ●お水またはぬるま湯で服用しましょう。薬を飲むときに水で飲むのは、薬を飲みやすくするためと、薬を吸収しやすくするためです。 薬を水なしで飲むと、薬が喉や食道にひっかかって、食道炎や潰瘍を起こすこともあります。特にカプセルはくっつきやすいので、注意が必要です。寝そべって飲むのも薬がひっかかりやすいので、寝ながら薬を飲んではいけません。寝たきりの患者さんに薬を飲ませる時にも、体を起こして飲ませるようにしてあげて下さい。 その他の注意●乳幼児・小児の手の届かないところに保管ましょう。子どもの誤飲は大きな事故の元です。乳幼児の手の届くところに薬を放置しないように注意してください。 ●湿気、日光、高温をさけて保管ましょう。くすりは湿気、光、熱を嫌います。直接日光があたらず、暖房器具から離れた場所に保管しましょう。 ●くすり以外のものと区別して保管しましょう。誤用をさけるために、例えば飲み薬とぬり薬は区別して保管しましょう。 ●他の容器への入れかえはやめましょう。くすりを使い古しの他の容器に入れかえることは避けてください。誤用や事故のもとになります。 ●古いくすりの使用はやめましょう。くすりには有効期間が表示されているものがあります。 期間を過ぎたものは服用しないでください。古いくすりや外観に異常があるようなものはは、使用前に医師・薬剤師に相談してください。 その他、おくすりに関することは、「お薬よもやま話」のコーナーなども参考にしてください。 |
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